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メスカル MEZCAL

 

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2009年11月9日 (月) 13:11版(UTC)

 

メスカル(Mezcal)は、リュウゼツランを主原料とするメキシコ特産蒸留酒の総称。リュウゼツランには、メキシコ国内だけでも200品種以上があり、それらすべての品種からメスカルが製造出来るわけではないが、品種や製法によってそれぞれ違った味わいのメスカルが製造されている。メスカルの中でも、特定のリュウゼツラン品種から法定産地で製造されるテキーラは世界的に有名である。

メスカルの語源は、ナワトル語のリュウゼツランを意味するmetl及びmexcalmetl、またはmexcalli(料理されたリュウゼツラン)とされている。

 

歴史

16世紀にコンキスタドールがアメリカ大陸に到達すると、直ちに新たな酒造原料を探す事が重要な課題となった。これは本国から持ち寄った酒類が底を突き始めたことと、彼らにアルコール飲料と共に食事をする習慣があったからである。直ちに目に付いたのが、アステカ人が醸造していたプルケという醸造酒の原料となるリュウゼツランであった。コンキスタドールがなぜアメリカ大陸原産で豊富にあった穀物、そして後にアメリカ合衆国特産のバーボン・ウイスキーの主原料となるトウモロコシに目を付けなかったかは未だ謎である。

 

品種

メキシコ公式規格(NOM)によって、メスカルの名称でその蒸留酒を販売及び流通させるためには、指定された5品種のリュウゼツランを主原料として使用しなくてはならない。

 

 

もちろんこれら5品種以外のリュウゼツランからも、メスカルを製造することは可能である。メキシコ北部などでは、野生リュウゼツラン品種を使ってレチュギーヤ lechuguilla やライシーヤRaicillaと呼ばれる密造酒が作られている。

 

誤解

メスカルは様々な誤解を受けた酒と言われている。

「メスカルはサボテンから作られている」 - 上記のようにメスカルの主原料はリュウゼツランで、ユリ目ユリ科か、あるいはユリ目リュウゼツラン科かでその分類は右往左往したものの、ナデシコ目サボテン科に属するサボテンとは明らかに異なる。幻覚剤として使用されるペヨーテというサボテンを収穫したものをメスカル・ボタンmescal buttonと呼ぶことから、このような誤解が生じたらしい。
「メスカルは幻覚症状を起こす成分が含まれている」 - 上記のようにメスカルボタンという名称や、ペヨーテに含まれる幻覚剤成分がメスカリンという大変似通った名前なことから、一部で誤解が生じているらしい。当然のことながら蒸留酒のメスカルにはメスカリンは含まれていない。

 

備考

メキシコの珍味、グサーノ一部の製品では瓶のなかに唐辛子や、リュウゼツランに寄生するグサーノ(ゾウムシの一種)の幼虫、サソリの抜け殻などを入れることによって、販売促進への話題づくりとして工夫を凝らしている。

メスカル・グサーノに関しては、メキシコではもともと食用とされている上、サル・デ・グサノsal de gusanoといって、乾燥したグサーノを粉状に挽き、やはり挽かれたチリ(唐辛子)と塩を混ぜて、ライムと共にチェイサーとして用いられている。

高級酒のイメージが強く「ブランド」化したテキーラに比べ、安酒のイメージが強いメスカルの世界的名声は今一歩劣っているが、製造者たちの製造過程の工夫や、近代機器の導入などによって、テキーラと違った風味の、かつ品質的には優るとも劣らないメスカルも続々と登場している。

 

 

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