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ピンガ(カシャーサ) PINGA / CACHACA

 

ブラジルでは、サトウキビの搾り汁を濁ったまま発酵・蒸留させた酒が国民酒となっている。名称は「ピンガ(Pinga)」。単式蒸留器で蒸留するから副生成物の含有量が多い。それを樽熟成してから活性炭処理をして無色透明のかたちで製品化するが、酒質は重い。

リオ・デ・ジャネイロでは「カシャーサ(Cachaca)」と呼ばれる事が多い。また、「アグアルデンテ・デ・カナ」という、”サトウキビの蒸留酒”を意味する呼び名もあるが、何れも同一のカテゴリーの酒を指す名称である。

 

 

種類

アーティザン・カシャーサ(Artisan Cachaca)

カシャーサは、16世紀から製造の歴史があるが、ブラジル南北至る所で生産されているサトウキビを原料とした蒸留酒。このアーティザン・カシャーサを作る家内蒸溜所はブラジル国内に4000件あると言われ、銘柄数8000種と言われている。同じ原料のラムとは製造方法が違い、特に、小さな家内蒸溜所で生産された品質の高い自家製造の蒸留酒は、瓶詰めからラベル貼りまですべて手作業で、こう呼ばれる。中でもミナスジェライス州(MG)のカシャーサは、厳格な州法で定められた製法に基づき、純度の高い蒸留酒を生み出すとして定評がある。蒸溜所の規模/工程の手間により製造量が限られるため、入手困難。

生産量

最大で5000L/1日あたり

原料

・サトウキビの蒸溜所内収穫

・蒸溜所内での搾汁

発酵

ステンレス/木/銅槽使用

・野生酵母(乾燥トウモロコシの粉・米粉など)

・自然発酵(18~36時間)

蒸留

・銅釜(ステンレス釜使用例もある)

・単式蒸留器、整流器つき蒸留器
蒸留液の3分別 ヘッドとテールの再蒸溜

熟成

各種木製樽使用 (規定に基づく4種の熟成期間)

 

インダストリーカシャーサ

生産量

500.000L/1日あたり

原料

・サトウキビ、搾り汁集荷式

・組合式集荷(サトウキビ、搾り汁)

発酵

・ステンレス槽使用

・培養酵母

・短時間発酵

蒸留

・ステンレス釜

・連続式蒸溜器
短時間蒸留
蒸溜液の分別なし

熟成

なし、カラメル使用(一部木桶使用)

 

 

 

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2010年4月5日 (月) 02:23版(UTC)

歴史

1532年にポルトガル探検隊の隊長Martim Affonso de Souza(マルチン・アフォンゾ・デ・ソウザ)により大規模な入植地が形成された。この時にポルトガル領であった北大西洋のマデイラ諸島からサトウキビの苗がブラジルに持ち込まれ、サンパウロ州サントス港近辺のサンヴィセンチで最初のサトウキビ畑をプランテーション化して砂糖を精製するようになった。

1536年、ポルトガル移植者がブラジルに蒸留機を輸入し、プランテーション化していたサトウキビを原料に蒸留酒を造るようになった。

なお、これとは別に偶然による産物でカシャッサが生まれたとする説もある。砂糖はサトウキビの絞り汁を煮立たせて醗酵するが、当初、その際に上ってくる泡をすくい上げて捨てていた。しかし泡は一晩経つと翌日には液状化する。働かされていた黒人奴隷たちは、偶然それを飲んでみると気分が良くなった。つまり酔うようになった、というものである。

いずれの説にしても、黒人が飲むようになったことで、奴隷たちに与える食事が少なく済むようになったため、ポルトガル人たちも黒人奴隷が飲むことをある程度容認し、また自分達も飲むようになった。

1622年、ノルデスチ(ブラジル北東部)にオランダが入植を図ったが、この際にオランダ製の蒸留酒製造機が持ち込まれ、カシャッサの質・量が共に飛躍的に向上した。

1789年、歯科医のJoaquim Jose da Silva Xavier(ジョアキン・ジョゼ・ダ・シルヴァ・シャビエ、別名:Tiradentes - チラデンチス)という若い騎兵隊の将校をリーダーに、ポルトガルに対して独立運動が起こった。この時、彼らは「独立の乾杯はポルトガルワインでなく我々のカシャッサだ」というスローガンを打ち出した。独立運動は失敗に終わりチラデンチスは処刑されたものの、このスローガンが民衆の心を掴み、カシャッサは独立のシンボルとして、また一般大衆に浸透されて愛飲されるようになっていった。

近代になると、有名なメーカーによる大衆的なブランドが大量生産され販売されるようになった。しかし近年では、こうした量産品ではなく職人が造る芸術的な域にまで達したカシャッサが注目され好んで飲む人が増えている。きっかけはミナス州サリナスで故アニジオ・サンチアゴとその一家が製造した、Havana(ハヴァナ)というブランドである。ハヴァナとは彼らのファゼンダ(農場)の名前で、1943年に蒸留酒所を創業した。ブラジル政府は海外からの来賓にこのHavanaを起用したことで有名になった。

しかし、キューバ・ロンのハバナ・クラブがブラジルに入ってきた際に、登録商標問題が起こり、その結果Havanaを自身の名であるANISIO SANTIAGO -アニジオ・サンチアゴに変えざるを得なくなった。これにより市場からHavanaブランドが稀少化しプレミアムな価格がつくようになった。これによりHavanaの名称は一気に知られることになり、こうした職人の作る希少価値のあるカシャッサが注目されることになった。またこれにより、カシャッサの高級化が図られ、欧州などへの輸出も拡大されている。

 

ラム酒との違い

冒頭文の説明の通り、カシャッサとラム酒は共にサトウキビを原料とする蒸留酒である。

ブラジルでラムの名が知られるようになったのは1660年代半ば頃で、これに対しカシャッサの名が定着したのは1750年代半ばといわれる。ブラジルでラム酒の名が定着しなかったのは一説に西インド諸島を領土化したスペインとの交易対立であるともいわれる。

したがって、ブラジルでは「カシャッサはラム酒ではない」と明確に区別している。

ラム酒との違いを具体的に挙げると、

1.ブラジルと西インド諸島の気候や気温などにより、本来持っている酵素や細菌の微生物が異なる。
2.異なった文化圏(ポルトガル語対スペイン語という言葉や生活習慣など)での製造の手順や手法が異なる。
3.ブラジル以外で製造されるスピリッツの多くは、200リットルのアメリカやヨーロッパの広葉樹(オーク)の樽に長く置かれるが、ブラジル原産のカシャッサは、それらよりも大きい1万リットル程度の樽を使う。また樽はアマゾンの森林樹や大西洋沿岸の森林樹を使う。
これらの違いにより、ブラジル原産のカシャッサは、ラム酒とは異なる、独特な味わいと香りのあるスピリッツとなっている。

 

 

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